小児近視抑制
(低濃度アトロピン点眼)
Medical
小児近視抑制
(低濃度アトロピン点眼)
Medical
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
近視の原因は解明されていませんが、遺伝的及び環境的な要因があることが確認されています。例えば、読書、テレビ、スマートフォン等目を近づける動作が長時間継続した場合も近視の症状が進行します。近視は通常学童期に進行し、症状の進行が安定化する 20 代前半までに悪化する傾向があります。
近視進行抑制の治療として低濃度アトロピン点眼があります。シンガポール国立眼科センター(Singapore National Eye Centre)及びシンガポール眼科研究所(Singapore Eye Research Institute)で実施された臨床試験によりますと、低濃度のアトロピン点眼は 2 年間に亘り近視の進行を 50〜60% 遅らせ、しかも副作用は非常に軽微であるとの報告があります。日本で行われた研究でも、「基準に従って点眼すれば、低濃度アトロピン点眼は小児の近視の進行予防に有効かつ安全である」という報告があります。
低濃度のアトロピン点眼加療は、瞳孔を増大させる等の副作用もありますが、近視の進行を抑制するためのサングラスや眼鏡をかける必要なく、ドライアイやアレルギーなどの他の副作用が出ることは極めて稀であり、近視抑制に優れた治療法であります。
低濃度アトロピン点眼は保険適応外となります。(税込3,800円/本 1本で1か月分)
初回診察では副作用確認のため、1本のみの購入となります。以後は最大3本まで購入可能となります。また点眼購入には診察が必要となります。(診察は保険適応となります)